ごあいさつ

ごあいさつ

 
がんの専門病院で全国から集まる沢山の患者さんの診療、手術、国内外への出張、 1年365日、殆ど休まることのない生活をしている多忙な外科医であった私に、 患者さんは遠慮がちに質問をし、話しができる時間はどうしても限られていました。
朝から夕方まで、昼食もとらずに外来をしていると、さんざん待たされた患者さんは自分の不安や不満を言うより、私の身体の心配をしてくださるのです。
患者さんへの説明にはかなり時間を掛けたつもりでしたが、患者さんにアンケートを採ると医師との対話の時間がもっと必要なことが示されていました。
外来の看護師をしていた妻は、患者さんが抱く医師に聞けない疑問、医師に言えない不安・不満を時間の許す限り受け止め、出来るだけの対応をしていましたが、
安全性や平等を優先せねばならない専門病院では患者さんと向き合える時間は限られていました。そして今も多くの医療者がこのような思いを胸に、ジレンマを感じながら仕事をこなすことを余儀なくされています。
現役外科医あるいは看護師として多忙な病院生活を過ごしていた私達にとって、
病院から離れた場所で、ゆったりした気持ちで、医療者と患者という診療上の関係を離れて、
がんという病に関わった方々と自由な対話ができる時間を持つことは夢でした。患者さん自身であれ、ご家族であれ・・・。
2015年秋に樋野先生の著書「こころにみことばの処方箋」に出会い、「がん哲学外来・メディカルカフェ」はこの目的を遂げるための仕組みであることがわかりました。
2016年5月から始めた「御影こころのともしび」は2018年4月より一般社団法人から独立して、活動を継続していく事になりました。2年近く哲学外来を行う中で、クリスチャンであり、現役の腫瘍外科医である私に相談者の求められることが、哲学的なことだけではないことがわかり、具体的あるいは直接的なアドバイスを含めて提供していこうと考えました。活動スタイルは従来と変わりませんが、外来(ともしび外来)を毎回開催することになりました。
この活動を通しての様々な出会い、励まし、支えに感謝します。私たちは微力ですが、皆様から学びつつ心を尽くして務めていきたいと思います。