第19回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


10月4日ともしび外来・メディカルカフェを開催しました。大型台風の前日、お天気の不安定な中にもかかわらず、患者さん10名、ご家族・ご遺族9名、医療者・その他5名計24名が参加されました。

今回、大津でメディカルカフェを教会で始めたいと言う思いを持った牧師先生方が参加してくださいました。
HPで見る限り、現在全国102カ所でメディカルカフェが開催されています。そのうち26が病院・医療関連施設の中で行われていますが、各地の教会でも活動が広がっており、今現在21の教会の中で行われています。同じ思いを抱いてがん患者さんとその家族を受け入れようとする方々が増えていることは本当に嬉しく思います。病院でも教会でも地域社会の中でこの働きが益々広がっていくことに期待しています。

今回、初めてご家族(ご夫婦とお子様)3人で参加してくださった方がおられました。
がんだけでなく様々な問題を抱えておられ、最初お話しを聞きながら皆何と声をかけて良いか戸惑うほどでしたが、話を聴いていくうちにそのご家族が闘病者であるお父様のことを敬愛しておられること、それぞれが正直な気持ちを言い合える関係である素敵なご家族であることがだんだんと見えてきました。
厳しい病状や辛い現実の生活の中で、終末期に向かっての備えをしながら、同時に生きる希望を持ち続けることは、ひとりでできることではありません。
しかしながら家族でじっくりと腰を据えて向かい合い、病気や生死の話しをすることは、たとえ充分な時間があっても日常生活の中では難しいものです。伝えたくても照れや遠慮で言えないこともあると思います。
家族だけでは話しにくいことも、他者も交えて話していることで気負わずに口にすることができ、じっくりと聞いてくれる人がいると溜めていた感情を吐き出すことができるようです。そのご家族からは「普段家族に言えない事を、言うことが出来る環境でした」という感想をいただきました。
問題に阻まれて八方塞がりに見えるご家族でしたが、話しているうちに素晴らしい家族力を備え持っていることを彼ら自身が気付かれたようでした。同席した者達も、困難の中にある強くて清らかな家族愛に触れ、このご家族から温かい感動の時間をお裾分けいただきました。素敵な時間を皆で共有することができ感謝です。

遠くからお越しくださる方もおられて、毎回新しい出会いがあることは嬉しく思っております。
特に初めて参加された方とは出来るだけ関わりを持ちたいと思ってはいるのですが、人数が増えることでなかなか細やかな配慮が行き届かなくなることも感じています。
沢山の方が集ってくださることは感謝なことですが、物足りなさを感じる方がないように出来る限り心を配っていきたいと思います。


第18回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


9月29日ともしび外来・メディカルカフェを開催しました。
(患者さん5名、ご家族・ご遺族2名、医療者3名)

今回は六甲道で開業されている奥野芳茂先生が参加してくださいました。
患者さんから「こころもともしび」を紹介されたそうで、私たちの活動に興味を持ってくださり初めて参加してくださいました。放射線治療の専門家として、数多くのがん患者さんと接しておられる中、私達と同じような思いを抱かれていたようです。患者さんへの深い愛情を感じさせる発言がたくさんあり、良い仲間が出来たという感じです
奥野クリニック http://gan-life-support.com/

また、同じく六甲道で開業されている田村竜二先生も、カフェを始めた当初から頻繁に参加してくださっています。田村先生は私達ががんセンターで働いていた頃に一緒にがんセンターに勤務されていた消化器外科医で、苦楽を共にした先生です。
温和で教会スタッフからの信頼も厚く、毎回参加者の方々と良い関係をもたれています。
田村医院 http://tamura-kusugaoka.com/

同じ価値観を持った医師達が、無償で時間を割いてここに集ってくださり、協力してくださることは心強く嬉しいかぎりです。
参加者にとっても、様々な立場の医師と語り合える貴重な場となっていると思います。

今回は10人1つのテーブルを囲んで、1人の男性患者さんの夫婦関係の悩みをみんなでシェアしました。
女性陣からは、それぞれの経験に基づいた具体的なアドバイスが沢山あがりました。
相談者のみならず、参加者全員がそれぞれの家族を顧み、改めてパートナーや元パートナー(参加者の内お二人はがんで配偶者を亡くされておられました)の存在を意識し、その存在に感謝した一体感のある有意義な時間でした。



第17回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


9月22日の祝日14:00からともしび外来・メディカルカフェを開催しました。
今回もイベントを企画し、大雨の中にもかかわらず34名の方が参加してくださいました。(患者さんが17名、ご家族ご遺族が14名、医療者が3名)

レクチャーは、笹子三津留が<医療情報との向き合い方 Part 2~医療者からの情報について~>というタイトルで、インフォームドコンセントや治療選択時に知るべき情報についてお話ししました。
統計学的なお話し(生存曲線や治癒率、正常値や中央値)については、かなり難しい内容になってしまったので混乱した方もいらっしゃるのではないかと心配しております。
医療情報(特に○○率というようなデータ)は治療を選択する上で知っておきたいことですが、その解釈の仕方、意味を患者さんやご家族にわかりやすく伝えることは難しいことだと改めて感じました。
(知って欲しいという熱意(愛)が強過ぎたということで大目に見てください…)

病状を理解し治療を提示された時に、過去の経験者の情報がなければ、判断材料がなければ、決断は困難を極めます。
ですので、診療の中でも確率(再発率・奏効率など)の説明をしますが、それはその方の個人的な状況を説明しているのではなく、あくまで過去の体験者の結果です。
冷静な判断をするためには、数字はわかりやすいものです。
しかし、判断するための材料としてだけ用いて、その後はその過去の数字にとらわれずに、最善の方法を選択したことを信じて過ごすことをおすすめします。

次回(10月10日 祝日)も医療情報についてのお話Part3になります。
みなさまの知りたいと思われることを、出来るだけわかりやすくお伝えしていきたいと思います。ご希望やご意見があればメールでも構いませんので遠慮無くお申し出ください。

レクチャーに続いて開いたメディカルカフェにも全員が参加してくださり感謝でした。
メディカルカフェの参加経験のある方が多かったせいか、自然と良い具合に(本当にいつも驚くほどに良い巡り合わせです)各テーブルに分かれ、5分も経たないうちにうちとけた様子で話しが盛り上がっており、嬉しく思いました。
初対面の方に、自分の悩みや弱さをさらけ出すことは恥ずかしく、時にプライドが邪魔して難しく感じることですが、1人がこころを開いて話し出すとそれが波及し、まわりにいる人のこころも開放に導かれることを感じました。
参加してくださった皆様に感謝致します。

レクチャーの様子
ミニレクチャー

ミニレクチャー



第15・16回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2016/09/06 17:00~19:00
2016/09/15 14:00~16:00

9月6日、15日ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
6日は15名(患者10名/ 家族・遺族3名/ 医療2名)、
15日は11名(患者6名/ 家族・遺族3名 /医療者2名)の参加がありました。

樋野先生の著書にもよく書かれてありますが、日頃やり過ごしてきた、家族ことに夫婦の関係はがんによって顕著に見えるようになります。
「こんなにしてあげているのに…」「もっと心配して欲しい」「ちっとも私の気持ちを理解してくらない」「もう家族に自分の気持ちは話したくない」など、カフェではパートナーに対する様々な思いがあふれ出ます。これは特別な事でなく、意外とみなさん溜め込んでいらっしゃるようです。
がんが完治した方でさえ、夫婦関係という人生の基盤に不満があると決して満たされないことを知りました。元気になったけど日々の喜びが無く、何とも言えない不安や不満がつきまとうようです。
苦痛を伴う治療中や、厳しい病状となったら更に深刻で、治療に対する意欲や生きる意味さえ失いそうです。
病院の中で、診察や入院中の時には皆それなりの夫婦を取り繕いますし、患者さんもそんな夫婦関係の不安や不満を医師や看護師に相談しようとはしないものです。夫婦の問題は病院の中で感じていた以上に、多くの方の抱える大きな問題であることを知りました。
愛情があるが故に相手に対してわがままになり、許せないとさえ感じてしまいます。愛する人を許せない気持ちは自分を傷つけます。
「何十年も連れ添い、相手が変わるとは思えない。だから自分が我慢するしか仕方ない。」と言われる方が沢山いらっしゃいます。夫婦の問題を解決することは、時にがんの完治以上に難しいのかもしれません。

溜め込んだ不満を吐き出しましょう。家で吐き出すと状況は悪化するかもしれません。 パートナーの発言は素直に聞けなくても、カフェでテーブルを共にした異性の言い分や第三者の感想を冷静に聞くと納得できたりするものです。
人に話しているうちに怒りのエピソードが笑い話になったりするものです。
「その気持ち解ります!」と共感されたり、「怒る相手の気持ちが解ります。もっとこんな風に言ったら良いと思いますよ。」とアドバイスされたり。がんのことだけでなく、夫婦について議論し合う時間もなかなか実り多いことを感じました。
最後に、いつもお約束していることですが、ここで聞かれたことはそっと胸の内にしまっておいてください。みんなが安心して話せる場であり続けるために。



第13・14回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2016/08/25 14:00~16:00
2016/08/30 17:00~19:00

8月25日、30日ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
25日、13名(患者3名/ 家族・遺族/8名 医療/2名)
30日、14名(患者5名/ 家族・遺族5名 /医療者3名/ その他1名)の参加がありました。

病の中にある方から、私達は沢山の宝物(愛・希望・勇気)をいただいています。
闘病中の子供の笑顔を見て、親は大きな喜びを感じます。
苦しみの中にいる友が語る夢から、希望をいただきます。
病を通して得た出会いに感謝を表す患者さんから、励ましをいただきます。
重い症状を抱えながら愛を表現する家族から、病の中でしか見えないものがある事を教えられます。
健康であることは感謝すべきことでありますが、それは人生をより良く生きるための必要項目ではなく、ただ1つの要素に過ぎません。
健康は、今を豊かに生きるために有れば良いものですが、病もその人の人生を豊かにするということを教えていただいています。
がんを体験した人もそうでない人も、ひとりひとりに弱さがあり、足りないものや失ったものがあります。
それぞれが自分の持っているものを惜しみ無く与え合う、豊かな時間に感謝します。

<病む>
病まなければ、聞き得ない慰めのみ言葉があり
病まなければ、捧げ得ない真実の祈りがあり
病まなければ、感謝し得ない一杯の水があり
病まなければ、見得ない奉仕の天使があり
病まなければ、信じ得ない愛の奇跡があり
病まなければ、下り得ない謙遜の谷があり
病まなければ、登り得ない希望の山頂がある

河野進(牧師)



第12回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2016/08/16 17:00~19:00

8月16日、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび を開催し、 11名(患者8名/ 家族・遺族/1名 医療/2名)の方が参加してくださいました。
前回のイベントから5日しか経っておらず、参加者は少ないかな…と思っていましたが、それでも初めて来てくださった方が3名おられ、2名の方と哲学外来の時間を持つことも出来ました。
ゆっくりと落ち着いた中、心を開いて語り合う少人数の良さを感じた時間でした。

患者さん同士、初対面で病気も性別も異なり、お互いの治療の詳細も経過もはっきり知らないけれども、同じ抗がん剤を使っていることが分かると、急に距離が縮まり仲間意識、戦友感が増すようです。(そんな時、私達は素敵な交流の始まりを感じて嬉しくなります。)

命をしっかりと見つめて生きておられる方、病気と向き合っておられる方の言葉には嘘も飾りもありません。
彼らは、悩み迷っている方が打ち明けたことに対して表面的な優しい言葉を返すのではなく、忌憚なく、しかし愛と慎みを持って、感じたことを正直に伝えられます。その誠実な潔い言葉には人の心を動かす力があります。今回はそんなことを感じる時間でした。

初めて来られる方は、「どんな所かわからないので、緊張して来ました」言われます。
実は私達も、来られる方に良い時間を過ごしていただけるか、満足していただけるのか…緊張もしますし不安に感じることもあります。
でも緊張しながらも、ここに勇気と期待をもって来てくださる方がいるなら、私達も希望と祈りをもって来られる方をお迎えしたいと思っています。
そして、緊張して来られた方が柔らかな表情で帰って行かれるのを拝見しては癒され、また2回目以降
はリラックスした笑顔で来てくださるのをお迎えするのが楽しみとなっています。
先日コンサートをしてくださいました辰巳玲子さんのフルートのCDは、当カフェのBGMとして使わせていただいております。
心の静まる音楽でカフェのリラックス感を高めてくれます。来られた方は癒しの音色に耳を傾けてみてください。


第11回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


8月11日の祝日14:00から、ともしび外来・メディカルカフェを開催しました。
今回は初めてイベントを企画し、39名の方が参加してくださいました。

ミニレクチャーは、笹子三津留が<医療情報との向き合い方 Part 1~情報に振り回されないために~>というタイトルで、週刊誌やネット情報の真意・信憑性、注意すべき事などを中心に講演しました。
皆様からは、「大変参考になった」「わかりやすくて良かった」「まさに知りたかった内容だった」という感想を沢山頂きました。
このシリーズ<医療情報との向き合い方>はPart 2・3を予定していまして、今回は主に書籍やネットの情報が中心でしたが、次回は医療者(主に医師)から提供される医療情報の正しい理解のために…という内容でレクチャーを行いたいと思います。
今回は急ぎ足で進めたのですが、内容を盛り込み過ぎて30分の予定時間をかなりオーバーしてしまいまいました。次回はもう少しゆっくりと時間をかけておこないたいと思っております。
ミ ニコンサートは、当教会の教会員でフルート奏者の辰巳玲子さんが素敵なフルートを演奏してくださいました。そして、ご自身もがんでご両親を亡くされた経験 を語ってくださり、病床のお父様の為に制作されたCDの中から、思い出の曲も披露してくださいました。愛に溢れた癒しの音色を聴いて涙を流している方もお られ、本当に心が潤されました。 今回は初のイベントでしたし、夏休みの真っ最中の猛暑の休日とありどれくらいの参加者がおられるのかわからず不安でしたが、予想以上に参加者がおられたので急遽テーブルを増設しました。
少々窮屈なカフェでしたが、いつものように各テーブルそれぞれに、今日この場で出会えた不思議な縁を楽しみながら、打ち明け、共感し、驚き、慰め、時に忍耐し…いろんな感情と優しさ、いたわりが混ざり合うよい時間が持たれていたようでした。
名古屋や愛媛からと遠来の参加者もあり、普段にない出会いの輪が広がったようです。
友人関係・会社・家族の中で孤独感を感じ、抱えている思いを打ち明けられない方々から「ここでは心を開いて思っていることを正直に吐露できてすっきりした」と言う感想を多くいただきました。
聴 いてもらうことを切実に求めているにも関わらず、実際には自分の話を聴いてくれる信頼に足る人を周囲に見出せない…という方々が、それでも初対面の方に寄 り添う愛を持って集ってくださることに感激しています。孤独という1人ではどうしようもない重荷を下ろすことが出来ると、他の荷も軽くなるようです。
お帰りになる際の皆様の笑顔を拝見して、お互いに荷を軽くし合う良い時間があったことを思い、参加者全員に感謝と尊敬の思いでいっぱいです。

ミニレクチャーミニレクチャー
コンサートコンサート


第9・10回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび 」

2016/07/28 14:00~17:00
2016/07/29 17:00~19:00

7月最終週の炎暑の中の2日間、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび を開催しました。両日共に遠方(関東)からの参加者もあり感謝です。
28日は16名(患者/4名 家族・遺族/9名 医療/3名)、
29日は19名(患者/8名 家族・遺族/8名 医療/2名 その他/1名)の参加でした。

がんによって、患者さんと家族はそれぞれの人生の中で突然に重い荷を背負うことになります。重い荷物を持って歩き続けることは辛く苦しいことです。
両手いっぱいの重い荷物は腕や肩にくい込んで痛みを生じます。大雨や強い日差しの中で傘もさせずに必死に歩いている時には、周りを構う余裕はなくなり苛立ちもします。
暗く終わりの見えない道であれば、悲しくて泣きたくもなるでしょう。
そんな時には休むことが必要です。
まず、背負ってきた荷物を下ろして心身を解放しましょう。お茶を飲み、溜まったもの(涙、不満や不安、時には希望も)を排泄することも必要でしょう。
そ うすれば、自分と同じように隣に休んでいる方に対して「大きな荷物で大変でしたね。」と声を掛ける余裕ができます。お互いにねぎらい、いたわり合う会話が 生まれます。自分だけじゃないとわかると勇気が出ます。楽な歩き方を教え合うことも出来るでしょう。心安らぐひとときを過ごせば、たとえ抱えている荷の重 さが変わらなくても、気持ちを新たにして歩き出す力がわき上がります。
そして実は、そのような場で隣の人の話に耳を傾けることは素晴らしい人助けでもあります。

ある本の中に書かれています。
「人間ほど聖く(きよく)、壊れやすく、神秘に包まれた存在はありません。
誰かが心を開いてどうしても話したくなる時、その人を受け入れて聴く人になるのは素晴らしいことであり大切なことです。だれもこれ以上に仕えることはできないでしょう。
これは交わることが奉仕であるという意味です。」

相手の言葉に耳を傾け、寄り添って聴くことは奉仕です。それには忍耐とエネルギーが要りますが、その分返ってくる恵み(知恵・愛・優しさ・希望・癒し)はとても豊かなものです。
助けを求めている人を助けているようで、結果的には助けている人が大きな贈り物を受け取っているのです。
重い荷物を下ろして休憩し、人の役に立つ奉仕(人助け)をし、さらに心を満たされる贈り物までいただける、メディカルカフェはそんな素敵な交流の場になりつつあります。
まだわずか10回開催しただけですが、回を重ねる毎に実感しています。
参加してくださるおひとりおひとりに、またお手伝いしてくださる教会員の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたをやすませてあげます。」 (マタイ11章28節)


第8回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび 」


2016/07/21 14:00~17:00

7月21日、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび を開催しました。
10名(患者2名/ 家族・遺族/4名 医療/3名 その他/1名)の方が参加してくださいました。
炎暑のせいか、いつもより少人数での開催となりましたが、来られた1名の方とは予定外に哲学外来の時間を持つことができ、また対話の時間も余裕を持ってじっくりと聴くことができました。結果的にはちょうど良い巡り合わせとなったこと感謝です。

がんは様々な問題を生じさせます。それは病状や治療など病気に関することでなく、家族の抱える問題である場合も多くあります。
患者さんやご家族が抱えている不安や悲しい気持ち、迷いや苛立ちなどは、がんそのものから生じているのではなく、家族間の誤解やすれ違い、過度の気遣い、また我慢や不満などが原因であることが多いようです。
皆が健康な時はそれなりにやり過ごせた、静かに潜んでいた問題が、家族ががんになることでそれが浮き彫りになり、避けて通れないほどに大きくなり、病気のことよりもむしろ家族の問題で思い煩うことがあります。がんは家族内の問題や悩みを顕著にします。
きっとそれは普通のこと、当然のことなのかもしれません。
し かし、これまで出会った患者さん・ご家族の中には、がんによって明らかになった家族の問題に向き合い、それを皆で乗り越えて解決した時に家族の絆が強ま り、家族でしか味わえない愛情や幸福感を体験し、病気に立ち向かって生きる力が与えられるという経験をされた方が沢山いらっしゃいました。
がんと向き合うとき、その「家族力」が試されますが、家族には本来それを乗り越える力が備えられていることを信じたいです。
病気に関する悩みや不安は病院で医師や看護師に相談できますが、それが家族の問題に及ぶと診察室では相談しづらくなります。(もちろん話していただいて良いと思いますが、実際は限られた時間の中では難しいこともあるでしょう)
ゆっくりとお話しをする時間が無ければ不安や苦悩の原因が家族内にあることに本人さえも気がつかないこともあります。
まずはその問題自体に気付くこと、そのお手伝いができる場でありたいです。
参加者からは、そのような対話を通して自分の家族のことについても深く考えさせられたという声も伺い、深い交わりが出来ていることを感じました。

8月11日(木・祝日)の哲学外来・メディカルカフェでは笹子三津留が「医療情報との向き合い方~誤解をしないために~」というタイトルでミニレクチャーをおこないます。
最近、週刊誌が売り上げを伸ばすという目的のために過激なタイトルで医療の記事を取り上げています。粗末な内容で世間を混乱させ、実際の医療現場では大変迷惑しているそうです。
そのような週刊誌やネットの怪しげな情報の正体から、病院で提供される医療情報の意味まで、幅広くわかりやすく説明します。
辰巳玲子さんによるフルートのミニコンサートもありますので楽しみにしていてください。
みなさまの参加をお待ちしております。


第7回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび 」


2016/06/30 14:00~17:00

6月30日、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび が開催されました。
新来者6名を含めた計15名(患者8名/ 家族・遺族/3名 医療/2名 その他/2名)の方が参加してくださいました。

一 言で患者さんと言っても様々です。がんと診断されて間もない方はどの治療を選択すべきか治療方針について迷っておられます。治療を始めたばかりの方はこの 治療が最善であるのかもっと有効な治療があるのではないかと悩んでおられます。治療を終え経過観察をしている方は、再発の不安を抱えておられます。長期間 にわたって闘病されている方は最期の時をどこで迎えるのかについて考えておられます。(安心して産み育てる場所の不足と同様に、安心して看取り看取られる 場所の不足も切実な問題です)それぞれの状況で考える事・知りたい事は違いますが、氾濫する情報の中で自分にとって正しい情報・知るべき必要な情報を獲得 することの難しさを皆さん感じていらっしゃるようです。

誤った情報のために、漠然とした不安の渦に巻き込まれ、本来不必要と思われることにまで思い煩ってしまうのは不幸なことです。

しかしながら、藁をもすがる気持ちでいる方にとってインターネットから情報を求めたり、過激なタイトルの書籍や週刊誌に振り回されてしまうのは当然かもしれません。

そこで、8月の11日(祝)の哲学外来・メディカルカフェでは、「医療情報の本当の意味~誤解をしないために~」というテーマで笹子三津留のミニレクチャーを企画しております。少しでも皆様の参考になれば…と考えております。

夏休み真っただ中の猛暑の頃ではありますが、興味のある方は是非ご参加ください。
辰巳玲子さんのフルートミニコンサートも同時開催予定ですので、そちらもお楽しみいただけると思います。
7月2日(土)は、東京で開催されたともしび外来ナース部会に夫婦で参加してきました。
現在、日本各地85カ所で哲学外来・メディカルカフェが開催されています。

私達はまだ初心者ですが、長年活動を続けてこられた方とお会いしてお話を聞き励ましと勇気をいただきました。これからも「愛をもって、正論ではなく配慮ある振る舞い」を大切にしていきたいと思います。


カフェの終了時に<きみは愛されるために生まれた>を皆で歌っていますが、何度か参加されている方から、「歌う毎に、回を重ねる毎に心に響きます。とてもいい歌ですね。」という感想をいただきました。とても嬉しく思います。

がんと共に生きることが辛く苦しく感じることはあると思いますが、それでも<愛されるために生きている>ことを感じるひとときをみなさんと一緒に作って行きたいと思います。

第5・6回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2016/06/23 14:00~17:00
2016/06/24 17:00~19:00

6月23日、24日の連日、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび が開催されました。
23日は新来者4名を含めた計13名の参加(患者3名/ 家族・遺族/8名 医療者2名)がありました。
24日は新来者5名を含めた計15名の参加(患者5名 家族・遺族/4名 医療者5名 その他1名)がありました。

今回はご家族やご遺族の方の参加が多く、お話しを聞く時間を沢山頂きました。
いつもそばにいることが当たり前と思っていた日常から愛する人がいなくなる寂しさは、他の人や物では埋められないこと、時の経過によって埋められる事でもないこと、
そして、がんは必ずしも皆が経験するわけではありませんが、愛する人との別れは私達全ての者が人生の中で決して避けては通れない事であると気付きました。
また患者さんとご家族とがどのような闘病生活を送られてきたかが、その後の遺族の方の立ち直り方や生き方に大きな影響を与えることも改めて実感しました。

死別の悲しみに折り合いを付けることは個人的な経験であり極めて私的な問題ですが、この様な悲しみの思いを秘めて懸命に前に向かって歩いて行こうとしてきた人達が語り合う時、両者の間には深い共感が生まれることも目の当たりにしました。
そして、皆さんの「いろいろ大変な事もあった筈なのに楽しかった記憶しか思い出せない…」という言葉を聞いて、心があたたかくなりました。

本当に毎回素敵な出会いがあり、皆様から沢山のことを教えられます。
来られた方から、無料で実施していることに対してご心配をいただきましたが、「こんな素晴らしい学びの機会をいただいている私達がみなさんに支払っても良いくらいだね」と言うのが私達の正直な思いです。
しかしながら、毎回自発的にお手伝いいただいている皆様には心から御礼申し上げます。
お金では手に入れることのできない恵みを沢山いただいている事に感謝しつつ、今後も続けていきたいと思います。

第3・4回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2016/06/02 14:00~17:00
2016/06/03 17:00~19:00

6月2日、3日の連日、御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび が開催されました。5月の2回のメディカルカフェは、リピーターの方もかなりいらっしゃいましたが、今回は両日共に初めての参加者がほとんどでした。

6月2日の第3回メディカルカフェには患者さん5名、ご家族・ご遺族が7名、その他2名の合計14名の方にご参加頂きました。なかでもご夫妻で参加の方が3組もいらっしゃったことは印象的でした。
術後2-3ヶ月しか経っていない方や現在治療中の方がおられ、食事の取り方や術後のリハビリのポイントなどの話題が多く、前回も参加して頂いた開業医の先生からのアドバイスがとても参考になったようでした。
 
翌日6月3日は13名で会を持ちました。
哲学外来にご夫婦で参加された方は時間に余裕がありましたので、涙あり、笑いありの有り難い時間をたっぷり共有出来ました。
また、中国から日本に治療を受けに来られている方のご家族2名が参加されました。国によっては患者さんに真実を告げないなどがん患者さんを取り巻く環境がずいぶん違うのに驚きました。
国は違いますが、がんという病が生死という人間の根源的な問題を突きつけることや、発病から治療選択、副作用、再発の恐れなど様々な問題や不安に翻弄されながらも多くの決断をし、実行していかなければならない厳しい病気であることは万国共通だと感じました。
そして、そのような困難の中でも、共に生きる家族の存在、家族を愛する思いが病気に立ち向かう大きなエネルギーになるということも改めて感じました。
今回のように、ご夫婦・ご家族と一緒に来てくださる方が増えると嬉しいです。


第2回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」

2016年5月26日(木)14時から、御影神愛キリスト教会において、第2回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」が開催されました。
患者さん8名、ご家族・ご遺族6名、その他(医療関係者など)6名の計20名の参加のもと行われました。
参加者の内、第1回のカフェから引き続き参加してくださった方が9名いらっしゃり、新しくできた友人との再会を喜ぶような雰囲気の中始まりました。
今回は哲学外来を予定していなかったのですが、急遽実施できる状況となったため、希望されたお一人の方と哲学外来の時間を持つことが出来ました。2週間前のカフェに参加されたその方は前回より明るい笑顔で来訪されたことが印象的でした。今回は時間に余裕があったため45分ほどかけてゆっくりとお話しをすることができ、お互いに満足度の高い良い対話の時間を共有できたようです。
また、がんセンター時代に苦楽を共にした私達の旧友が2名(医師とソーシャルワーカー)来てくださり、それぞれのテーブルで対話に参加してくれました。
患者さんからは、なかなか病院では聞けずに引っかかっていた質問・疑問が飛び出したようですが、医療従事者としてそれに正直に丁寧に答えてくださり、溜飲を下げた方もいたようです。
参加者の皆さんが温かくリラックスした居心地の良い空気を作り出してくださっていること、そしてここが病院ではなくカフェであり、「気軽に何でも話せる場」という雰囲気になっていること、目指していた空間が自然と出来上がっていることを感じ、改めて皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
今回も本カフェのテーマソングとしたいと思っている<きみは愛されるため生まれた>を参加者全員で歌って、牧師先生に短いお祈りをしていただき終了しました。
3時間という長時間の会の終了後にもかかわらず、話が尽きないテーブルもあり、名残惜しそうにお帰りになる方もありました。主催者としては嬉しい限りです。
 今後は適宜ミニレクチャー、読書会(他のともしび外来でしばしば読まれている書籍)、ミニコンサートなども取り入れていこうと考えています。

以下、今回参加された方の感想の一部抜粋です。(患者・ノンクリスチャン・女性)
ゆっくりお話しが出来てとても参考になりました。ソーシャルワーカーの方のお話が聞けたり、ご遺族の方のお気持ちを聞けたりとほんとうに参加してよかったです。


第1回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」

2016年5月13日に、御影神愛キリスト教会において、第1回 「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」が開催されました。
患者さん8名、ご家族4名、ご遺族3名、その他(教会スタッフ)3名の計18名の参加のもと行われました。
自由な出入り、気軽な参加を考えていましたので、開会の挨拶も講演も無しでしたが、ほとんどの方が定刻までにはおいでになり、三々五々来られた方からテーブルに着き、お茶を飲みながら自然と互いに自己紹介をしてお話しが始まりました。それぞれ立場は異なりますが、お一人お一人が心を開いてお話しができるとてもよい雰囲気の中、時間が過ぎてゆきました。涙する人、大きくうなずいて傾聴する人、時には大きな笑いも聞こえ、素晴らしい出会いをたくさん頂きましたが、今回は偶然同じテーブルについた方同士が古い知り合いであったり、職場の元同僚であったりと、まさかの再会もあり驚きでした。
パーティションで区切られた一画で、個人面談である哲学外来が2名の希望者と行われました。お二人には喜んで頂けましたが、もう少し時間が欲しかったところです。
あっという間に2時間が経過し、皆で<きみは愛されるため生まれた>を歌って、牧師先生に短いお祈りをしていただき終了しました。終了時にはみな来られたときよりも明るい笑顔になっておられ、中には嬉しくて涙を流しながら帰られる方もいらっしゃいました。
「来られた方に何かを与える事が出来たら」と思っていましたが、かえって私たちが感動と教えを沢山与えて頂きました。感謝に尽きません。教会関係者のがんの経験者には、患者として参加しながら、お手伝いもいただきましたこと心より感謝いたします。

以下、昨日来られた方の感想の一部抜粋です。(患者・ノンクリスチャン・女性)
参加して感動し、皆様の笑顔で心安らぎ、本当に幸福な一時を過ごせた事に感謝しております。そして、お世話してくださった方々にも感謝しています。 すべての人々がおだやかに人生を過ごせる事をお祈りしております。


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御影神愛キリスト教会

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