第45・46・47回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


6月29日、7月6日、7月18日にこころのともしびを開催しました。

梅雨の不安定な天候の日も、また真夏のような炎暑の日にも、毎回沢山の方々にお集まりいただき感謝しております。

この場で何度か顔を合わせ、それぞれの状況や立場を知ると安心感を与え合う関係ができてきます。リラックスできる場に信頼できる存在が居れば、固く閉ざしていた人の心がだんだんと開かれていくようです。
私たちを信頼して本当は他人に見せたくない弱さを見せてくださる時、長い間誰にも話せなかったことを打ち明けてくださる時、私たちはその正直な勇気ある姿に感動します。
聞く者たちはその方を理解したいという思いにかき立てられ、発する一言一言に集中するだけでなく、まなざしや表情からも何かを受け取ろうと目と心を向けて聴きます。
私たちはただ黙って聞くことしか出来ませんが、聞いている者たちのうちには確かに「今わたしはあなたのためにここに居ます」という愛があり、その場はありのままの姿を尊重し見守りたいという決意ある空気に包まれます。
その空気を受け取って生き生きと語る姿に、変わりたいという願いと、きっと変われるという希望の光を見ました。
そして聞かせていただいた私たちは、ありのままのその方が愛すべき存在であるということをしっかりと心に留めました。
先日はそんな時間を過ごすことができ、深く感動をおぼえました。
肉体の傷が自然に治癒していくように、心や魂の傷にも回復する力があります。
自分のストーリーを語ることは、自分を冷静に客観視することであり 自分の弱さや恐れを語ることは、自分自身を認めることです。
他者に語ることは、「自分自身で気付き悟る」癒しと回復の大きな一歩につながります。
集うお一人お一人のお陰で、この場が安心して語れる温かい愛のある場、癒しの空間になっていることを感謝します。



第42・43・44回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」



5月30日、6月6日、6月15日にこころのともしびを開催しました。

最近は毎回20名前後の参加者がありますが、6月15日は平日昼間の開催にもかかわらず30名を超える参加者があり、大変賑やかなカフェになりました。
嬉しいのは、カフェに参加された方がご自身の体験を周りの方々にお話してくださり、このカフェを家族や友人に勧めてくださるという、いわゆる口コミで人の輪がどんどん広がっているということです。

ここに集まられる方のほとんどは、辛いことなんて何も無かったかのように見える、問題なんて何も無いように見える方々です。素敵な熟年のご夫婦、仲良し親子、お洒落な紳士、元気なお母さん、スーツ姿のサラリーマン、一見すると病気や不安や悲しみとは無縁のように見える人が大半です。
カフェの大きなガラス越しに通り過ぎる人達には、ここにがん患者さんやご家族・ご遺族が集っているようには見えないだろうな・・・と、入り口で皆さんをお迎えしながら思います。
実際は、がんの治療真っ只中の方やこれからの治療選択に悩んでいる方、家族を亡くして寂しさに押しつぶされそうな方。みんなそんなことをみじんも見せずに社会の中で強く、あるいは強いふりをして生きざるを得ない世の中であるということを感じます。
その様な方々が席に着き語り合って初めてわかることがたくさんあります。悩みや痛みなんて無いように見えたのは初めだけ。
誰にも話せなかった不安や思いは私だけじゃ無かったということ、恐る恐る見せた自分の傷と同じ傷を持っている人がいるということ、理解されるはずないと思っていた悲しさを経験していた人がいるということ。
みんなも同じだとわかると、話しているうちに励まし励まされ、慰め慰められ、元気づけ元気づけられ、不思議と来た時よりももっともっと、悩みも不安も無い元気な人のように見えてきます。
帰る時には、みんなお土産の小さな可愛い花束を持って素敵な笑顔で手を振って、きっとこの方々ががん患者さんだなんてここを通り過ぎる人達は思いもしないだろうな・・・とまた更に強く思いながらお見送りしています。
自分の弱さや負ってきた傷が誰かの励ましや希望になるなら、辛い時を乗り越えてきたあかしになるなら、傷跡はきれいに無くなるよりも傷跡としてはっきり残っている方がきっと良い。
先日そんなお話を聞きました。本当にそうだなと思いました。



第41回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


5月11日(木) こころのともしびを開催し、26名の方に参加頂きました。

このともしび外来・メディカルカフェを始めてちょうど1年になります。
沢山の助けと祈りに支えられ、みなさまに喜ばれる場となっていることを本当に嬉しく思います。わたしたちが病院で医療者としてがん患者さんやその御家族と関わってきた中では、決して持つことの出来なかった時間の中で、患者さん同士、ご遺族同士が思いや感情を共有し、慰め合い、分かち合うことが如何に大切であり、素晴らしいことであるのかを学ぶことが出来ました。
ここに気持ちを吐き出したくて来られる方、辛い思いに耐えかねて来られる方、どうすればいいのか途方に暮れてみえる方、寂しくて人恋しくて来られる方、色々な思いを抱えてここに来られます。みんなまとめて包み込んで癒やしてくれる、この『こころのともしび』とはとても不思議な空間です。参加される方が持ち寄ったもの(経験、感情、知恵、優しい気持ち)でこのカフェは形成されています。おひとりおひとりの存在そのものがカフェを形作る大切なピースです。毎回いろんな方がいらっしゃいますので、カフェの雰囲気は毎回異なり、各テーブルのカラーも様々です。初めの頃は、どんな方が来られるのか、何人くらい集まるのか予測できないことが不安でしたが、今は毎回ワクワクしています。

今回来られたお二人も、まだ奥様を失われた悲しみが大きく、何かにつけて涙が溢れ出てくるような状況でした。男性の人生にとって(特に結婚生活を長く続けてこられた方にとって)、奥様は本当に大きな役割を果たしておられます。衣食住と言われる日常生活の大部分を妻に依存している夫は、妻を失ったとたん、深い悲しみと同時に日常生活が立ちゆかなくなるという現実に直面します。毎日の食事のこともそうですが、何がどこに収納されているのかわからないために、様々な不自由や苦労を体験します。奥様が亡くなられた時から季節が変わると着る物を捜すのに苦労をします。また、子供や親戚とのつきあいにおいても、奥様の果たされていた役割に否応なく気付かされます。予測していたとはいえ、また今更ながら妻が自分を支えていた大きな存在であったことに日々気付かされます。しかし、そんな状態でも日本人男性は人前(家族の前でも)で弱さや涙を見せることに抵抗を感じる方が多いようで、ひとり家に引きこもる方や、感情を押し殺して働く方が多いようです。
今回は偶然同じような立場の方が集われたのでお互いに感情を吐露し合い、はばかることなく涙を流し、慰め合うことが出来たようです。また、数年前に伴侶を失われた方からの具体的なアドバイスを聞き、励ましを受けられたようでした。
出会いを名残惜しむように帰る道すがら話されている紳士達の後ろ姿を見送り、すべてが色あせて見えるような深い悲しみの中で、偶然にもこの日このような出会いが与えられたことに神様の優しい計らいを感じました。


第38・39・40回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


4月には4日、13日、25日の3回こころのともしびを開催することが出来ました。
最近は毎回15~20名の参加者があり感謝です。

この働きを始めてもうすぐ1年を迎えます。
レギュラーに毎回来てくださる方、初めて来てくださる方、別の場所でメディカルカフェを主催されている方、患者・家族・遺族など立場は様々ですが、ここでなければ決して出 会うことがなかったであろう方々が、心を開いて語り合い慰め合う様子を40回見てきまし た。

わたし達はみな「愛されていることを感じたい」「大切にされていることを感じたい」「 自分に存在価値があることを感じたい」という渇望があります。
その感情はみんな持っている素直な思い、スピリチュアルなニーズなのだと思いますが、 大人になるにつれてそれらを受け取る機会も体験する場も少なくなるように思います。
特に日本人はそんな感情をはっきりと言葉として表現することにためらいを感じますし、 求めることに恥じらいを感じるので、そんな自分の思いにフタをしてしまいます。
人生順調に生きているように感じて満足している時にはその渇望を無視することもできま すが、心身ともに疲れ果てたとき、大きな不安を感じるとき、こころが傷ついたとき、孤 独を感じるとき、その感情を満たしてくれる人がそばにいてくれると元気が出ます。
『愛している』というような直球の言葉でなくても「あなたのことを気にしていますよ」 という気遣いを感じる関係があればこころが潤います。
逆に満たされない思いは痛みに変わり、家庭や職場での人間関係がぎくしゃくしてしまうこともあるようです。

相手の思いに共感し、本当は自分が受け取りたい言葉や優しさをそっとさしだす、そうす ることで自分も不思議と癒やされているように感じます。
これからも、「きみは愛されるためにうまれた」を歌うだけでなく、体験できる場であり 、来られる方々を愛し大切にし合う場であり続けられますように・・・。


第36・37回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


3月14日は18名(患者6名/家族・遺族7名/その他5名)
3月23日は20名(患者8名/家族・遺族8名/その他3名)の参加がありました。

ある参加者の方の体験から・・・
入院手術を待つ間、一人暮らしのその方は孤独で、四六時中がんのことが頭から離れず、焦りと不安でいっぱいだったそうです。そんな時に、病院の患者相談窓口のスタッフの方(ソーシャルワーカーでしょうか)が、「毎日ここに来たらいい。何もできないけど、入院まで毎日ここで一緒に過ごしましょう。」そう言われたそうです。
そして入院までの10日間、毎日病院に通いそこで一日を過ごしたそうです。
「一人でいたら不安に押しつぶされていたかもしれない。焦ってパニックになっていたかもしれない。その方の優しさに救われました。今こうして前向きに生きているのは、あの時のあの方のお陰です。」と、穏やかな笑顔でお話ししてくださいました。

寄り添うこと、支えることには色々な方法や手段があるでしょうが、「何もしなくてもあなたはただここに居ていい」と認めてくれる人がそばに居ること、孤独でないと感じる居場所を持つことがどれほど人を慰め、こころを癒やすのかを知りました。
安易な励ましの言葉をならべるのではなく、不安と焦燥感でいっぱいのその状態をまるごと引き受ける、大きな、包み込むような愛で寄り添うこと。
「こころのともしび」もそのような場所でありたいと思いました。
2時間という短い時間で、それぞれに抱えているものも立場も違いますが、みなが安心してここに居ることができる、ひとりじゃないことを感じることができる、となりのひとから愛を受け取ることができる、そんな空間を作っていきたいと思います。

先週は大津の教会に行ってきました。メディルカフェについて、これまでの私たちの経験を踏まえてお話しする機会をいただき、その後に開かれた初回のカフェにも参加させていただきました。
礼拝堂のレイアウトを変えてカフェにされると聞き、どんな風になるのか想像がつきませんでしたが、天井の高い落ち着いた空間にコーヒーの香りがただよい、森の中にあるような素敵なカフェに早変わりしました。
20名ほどの参加者がおられ、みなさんが自然とこころを開いて語り合う温かい空気が満ちていました。
カフェを始めたいと見学に来られた方が、最近、次々とカフェをオープンしていることを嬉しく思います。


第33・34・35回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


2月16日は25名(患者7名/ 家族・遺族9名/ その他9名)
2月21日は13名(患者4名/ 家族・遺族5名/ その他4名)
3月2日は23名(患者9名/家族・遺族10名/その他4名)の参加がありました。

がんという病は喪失の体験であり、病気が進行するにつれ、少しずつ身につけたものを失い、持っていた物を手放すことになります。健康な肉体の喪失、身体機能の喪失、役割の喪失、仕事や日常の喪失。
今までできていたことが出来なくなり、人に頼らざるを得ないことが増えると、自分が他者の重荷になっていると感じてしまいます。病気だから仕方ないとはいえ、自立した生活をし、社会的役割を果たしてきた者にとってそれは受け入れがたいことです。
特に、人を支える立場にあった方や、人を助けることに喜びを感じてきた方、人に迷惑をかけないということを大切に生きてこられた方にとっては、自己否定や尊厳の喪失にもつながります。もちろん周りの家族は頼られることを喜んで引き受けるわけですが、患者さん自身は、自分の無力さを突き付けられ、「他者に背負われている」という重荷を背負いながら生きることになります。
また、がんの進行に伴い肉体の衰えだけでなく、苦痛に対する不安や死に対する恐れを感じることを通して、こころの弱さとも向き合うことになります。
最近、立て続けに2人の方から「自分の弱さを思い知ります、無力さを認めざるを得ません」という言葉を聞きました。その言葉は敗北のように聞こえますが、その言葉を発した後に、人は自分に残った大切なものを知ることが出来るということを強く感じました。
沢山のものを手放し、頑張ってきた自分を脱ぎ捨てたときに残るもの、それは見栄も外聞も無い、紛れもない純粋な自分の姿です。そんな自分に出会った時、家族に対する感謝や、誰かと和解したいと思う気持ちが生まれます。そして、大切なものに気づき自分の人生に納得できたからなのか、「病気になってよかった」とさえ感じます。 それらのことは、患者本人だけでなくその言葉を聞く家族にもスピリチュアルな癒しを与え希望を与えるということも教えられました。
寄り添ってくれる人、気遣ってくれる人、一緒に泣いてくれる人がいれば、人は死に向かって成長し続けることが出来るそうです。
患者さんやご家族との深い関わりの中で私たちも沢山のことを教えられ、成長の糧を頂いていることを感謝します。

こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。
その中で一番優れているものは愛です。
(Ⅰコリント13:13)

<新規カフェ開設のお知らせ>
がん哲学外来  にいはまカフェ
3月25日(土)13:30~17:00
日本キリスト改革派新居浜教会にて
(定員25名・参加費200円)
樋野興夫先生による開設記念講演・哲学外来あり

びわこ大津ともしび外来・メディカルカフェ
3月26日(日)15:30~17:30
アッセンブリー大津キリスト教会にて
(参加無料)
笹子 三津留 ・真由子参加させて頂く予定です

詳細は一般社団法人がん哲学外来のHPに掲載されていますのでご覧ください。


第31・32回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」

1月28日と2月7日にともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
1月28日は24名(患者12名/ 家族・遺族9名/ その他3名)
2月7日12名(患者3名/ 家族・遺族6名/ その他3名)の参加がありました。

以前より土曜日にカフェを開いて欲しいとの要望が多くあり、1月28日は久しぶりに土曜日に開催しました。東京や愛媛など遠方からの参加者、また働く世代の参加者がおられ、いつもより賑やかなカフェとなりました。
愛媛県から来られた方は、地元でメディカルカフェを開く準備をしておられ、3月から愛媛の教会でメディカルカフェをオープンする予定です。
また、秋に参加された、大津の教会の牧師先生もメディカルカフェの準備を進めておられ、3月26日(日)の午後に第1回目のメディカルカフェを開催されます。その時には私たち夫婦も特別に参加させていただく予定でおり、今から楽しみです。
(上記詳細は次回お知らせ致します)
このように、メディカルカフェが全国各地に広がりつつあることを嬉しく思います。
それぞれが、その地域に開かれた場となり、地域の方々に豊かに用いられるようにお祈りしています。
最近は、繰り返しここに参加される方々が変わってきていることを感じます。
患者さんの多くは、何度か参加するうちにケアされる側からケアする立場となっています。初めて来られた方が話しやすいように気遣いをされ、温かく寄り添う姿勢で迎えるようになります。そして、ここで出会えたことを喜び合い、自分のことのようにその後の様子を気にかけてくださるようになっています。
夫婦の問題を抱えていらっしゃった方は「なんか最近(妻との関係が)良くなってきました。今まで内緒でここに来ていたけど、ここに来ることを言えましたよ。今度は誘って一緒に来ます。」と話してくださいました。
また、ろう者の方と数回会った方は、いくつかの手話を覚え本会のテーマソングである<君は愛されるために生まれた>を手話で歌えるようになっておられました。
新しくカフェを始める人、家族関係が修復される人、手話を覚える人、自分のためでなく隣の人のために祈るようになる人、ここで起こっていく人の変化を目の当たりにして、支え、支えられる体験(双方向性のケア)を通して私たちは変化・成長していくことができるということを強く感じます。また、適切な機会があれば人は自分の問題を自分で解決できるということを何度も目にし、愛を持って関わり合うことがもたらす力の大きさを感じるこの頃です。


第29・30回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」

1月10日と19日にともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
1月10日は12名(患者4名/ 家族・遺族4名/ その他4名)
1月19日は18名(患者8名/ 家族・遺族7名/ その他3名)の参加がありました。
新年初回の10日はお馴染みのメンバーが集まり、気心の知れた者同士で新年の挨拶をしつつ和やかな落ち着いた一時でした。一方19日は始めて参加された方が6名、久しぶりの参加の方も多くいらっしゃいました。

愛する家族を亡くした遺族は、喪失感や後悔など様々な感情と向き合って生きていかなければなりません。胸を裂かれるような痛み、心身共に立ち上がれないような虚無感、感情が停止してしまったようになる、などというお話しを聞きます。
悲嘆や喪失の本質は「関係性」です。元々の家族の関係性だけでなく、強い愛情・愛着を持っている家族が、闘病生活をどのような関係をもって過ごしたか、家族としての役割が満足に果たせたか、また病気や治療への理解・納得がどの程度であったかなどが、死別後の立ち直りと生き方に大きく影響します。
また、闘病中の医療者との関係は、良くも悪くもその影響はとても大きなものです。良い関係があれば、死別の悲しみの一方で、感謝の気持ちで満たされる方もおられます。一方闘病中に医療者との隔たりを感じたり、その言動に誠意や愛が欠けていると感じると、それは遺族の方の人生に大きく重いものとして、長期間にわたり影響するということを改めて強く感じました。
長い間、大きな怒りと後悔を抱え、家族の死と向き合うことが出来ない苦しみを背負っている方の思いを聞きました。「なぜこんなことが起こるのか」「今、自分が生きている意味がわからない」というスピルチュアルペイン、どうにも折り合いの付かない感情と現実の生活に疲れ果てておられました。怒りは大きなエネルギーですから、それが時に生きる力になることもありますが、怒りは長期化すると増幅され慢性化し、心・身・魂を激しく消耗するだけでなく、自己嫌悪に陥るなど更に傷を深くします。
私たちは、涙と一緒に絞り出される思いをただただ聞くことしかできませんでしたが、こんなに親身に話を聴いて頂いたのは初めてです・・・仰っておられました。
死別を受容していくプロセスの中で、亡くなった家族との良い思い出を振り返り、語ることが必要です。その思いを誰かが寄り添って聞き、その人の愛にふれることでさらに深く癒されると思います。怒りの奥にある、愛おしい大切な記憶を思いだして語る日が来ること、それによって少しずつ痛みが消えていくことを祈りつつ、関わりを続けて行きたいです。
亡くなった人も時間も戻すことはできません。その方の状況や環境が変わらなくても、こころとたましいが癒され変化していく、そのような空間でありたいと思います。


第28回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


12月15日木曜日に第28回こころのともしびを開催しました。

この日は今年最後のカフェでした。年末の忙しい時期でしたし、急に寒さが厳しくなったこともあり参加者は少ないかな・・・と思っていましたが19名の方々が参加してくださいました。
(患者12名、家族遺族4名、その他3名)

クリスマスまではまだ10日もあったのですが、みんなでケーキを食べ、クリスマスの讃美歌を歌い、穏やかで賑やかで温かい時間を過ごしました。
もちろん話している内容は楽しい話しばかりでは無いのですが、みなさんが心を開いて語り合っている表情には優しさが溢れ、知り合うこと、語り合うこと、思い合うこと、支え合うこと、祈り合うこと、どんな理由であれ人と人がつながることは温かくて幸せなことだなと感じました。

第1回目から毎回、カフェの締めくくりには<きみは愛されるためにうまれた>をみんなで歌っています。とても素敵な歌でみなさんに好評をいただきすっかり定着したことを嬉しく思っています。
この歌詞にもありますが、来年も<こころのともしび>を通して神様がくださる出会いの中で、「ひとりひとりが愛されるためにここにいる」ことを受け取る場となりますように・・・。
ここに集ってくださった全ての方に、そして陰ながら支え励ましてくださった関係者の方々にこころから感謝申し上げます。

最後に、兄弟たちよ。
いつも喜びなさい。
全き者となりなさい。
互いに励まし合いなさい。
思いを1つにしなさい。
平和に過ごしなさい。
そうすれば、愛と平和の神があなたがたと共にいて下さるであろう。
(第Ⅱコリント13章11節)

みなさまが、すこやかに平安に新しい年を迎えられますように祈りつつ


第26・27回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


11月29日、12月6日ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
11月29日は10名(患者3名/ 家族・遺族2名/ その他5名)
12月6日は14名(患者8名/ 家族・遺族3名/ その他3名)の参加がありました。

妻が進行したがんであることがわかったときの夫の反応は様々です。日頃の夫婦関係が色濃く反映されるように思われます。
今回参加されたご夫婦は、妻である患者さんご本人は病状を受け止め、延命治療に過ぎないのであれば副作用のきつい治療はせずに残された時間を静かに過ごしたいと希望されていました。しかしご主人は何とか治療をして少しでも延命、あわよくば奇跡が起こって欲しいとあらゆる情報にアンテナを張り、何かしらの治療をするようにと奥様を一所懸命に説得されていました。
彼女のために何でもする、どこにでも付いて行く、というご主人の姿勢に、同席された女性の患者さんは「うらやましいですね。そんなに愛されていて。」と、何よりも奥様を第一にと直接的な表現をされるそのご主人を称賛されていました。
しかし、そのご主人が漏らされた一言、「私は必死に愛していますが、彼女が同じ程に私を愛しているかはわかりません。」両者の思いを想像すると切ない気持ちになります。
奥様は奥様なりにご主人を愛しておられるし、大切に思っておられるようでした。でも、自分が思い悩んで下した結論を、それがどうであれ受け入れて寄り添ってくれることを望んでいらっしゃるように感じました。
家族・夫婦で治療に対する意見が異なることはありますが、最終的には患者さん本人の意見を尊重していくことができないと、たとえ肉体的には一緒にいてもこころの距離は広がってしまいます。特に、死を覚悟した人に頑張れと励ますこと、諦めてはいけないと諭すことは患者さんにとってはとても辛いことであり、どんどん心を閉ざして孤独を感じるようになってしまいます。
もちろんご主人にとっても受け入れがたい現実であります。残されてしまう不安もあるでしょう。でも本当に辛いのはだれなのか・・・。
辛い現状や決断を本当に心から分かち合えるのは、配偶者や家族だけだと思います。
ただそっと、何も言わずに、長年はぐくんだ心地良い関係で寄り添って欲しい。
ご夫婦が同じ方向を向き同じペースで歩むことができるように、またご主人の強い思いによって奇跡が起こるようにと祈ります。
共に過ごすことが出来る時間がどのくらいあるのかは神様しかご存じではありません。

今年のカフェもあと1回となりました。12月に入り急に寒さが厳しくなってきましたが、ここに集ってくださる方々のために温かい空間を提供していきたいと思います。



第24・25回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


11月10日、15日ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
10日は15名(患者7名/ 家族・遺族5名/ その他3名)
15日は15名(患者8名/ 家族・遺族4名/ その他3名)の参加がありました。

「いのち」の感じ方。「限りある使える時間」を「自分のために使うのか」「人のために使うか」「何をするために使うか」「静かに過ごしたいか」ひとそれぞれです。元気な時は、「自分の使える時間がどれくらいあるのか…」そんなことは考えもしませんが、がんになるとそれを考えざるを得ない状況になります。
今回、同じ様な状況(同じがんでステージⅣ・同じ病院に通院中・同性)でひとりはできる限りの治療を望み、もうひとりは最初から一切の抗がん治療をしたくない、というお二人が出会い対話する機会がありました。
治療をするか否か。治癒が難しい状況でのこうした悩みは医療現場ではよく遭遇します。病状はもちろん性格、経験された人生、年齢を含めた現在のライフステージ、家族の意向、死生観によって「いのち」の感じ方は様々です。時に医療者との信頼関係もその決断の要因となるようですが、ひとりひとりの決断に正解・不正解はなく尊重されるべきものです。
私たちはここで患者さんに治療するわけではないので肉体を癒すことは出来ませんが、ここへ来る方の心は癒されて欲しいと思っています。癒しの過程でいちばん大切なことは、問題を抱えている人が聴いてもらえた、理解してもらえた、受け入れてもらえたと感じることです。特にすでに決めたことや実行していることを認めてもらえると人は励ましを受け、不安から解放され、「今の自分のままでいい」という確信を持ちます。
このお二人はそれぞれが「そのような選択が出来るなんて、あなたは強いですね。私にはそれはできません。素晴らしいです。」と相手の決断に対して心からの尊敬を示し、エールを送り合う優しい交流を持つことが出来ました。
そして、当人同士にしかわからない言葉にならない感情の共有、慰めがあったことも感じました。このお二人がまた一緒に語り合い励まし合う時間が与えられますように…と祈ります。

<ニーバの祈り>
神よ、
変えることのできない事柄については、それをそのまま受け入れるだけの冷静さを、
変えることのできる事柄については、それを変えるだけの勇気を、
そして、この2つの違いを見定める知恵を、
私にお与えください。



第23回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


11月3日の祝日、気持ちの良い秋晴れの日にともしび外来・メディカルカフェを開催しました。今回は特別企画のイベントを行い、レクチャーに65名、コンサートには70名以上の方が参加してくださいました。メディカルカフェの時にはスペースが充分に無くてかなり窮屈でしたが、皆さん肩を寄せ合ってお話しが弾んでいたように見受けました。想像を超えた参加者数で十分に行き届かない点もあったことお詫び致します。

今回のレクチャーでは大松先生からピアサポートについて学ぶ機会をいただきました。
がん患者になると、本人の意志とは関係なく「助けられる側」、「支えられる者」という立場に収まってしまいます。周りの家族も医療者も何か助けになりたいと思い、「助け与える者」としてできる限りを尽くして支えようとします。
発病直後や闘病初期など、そうなるのは当然と思われますが、特に病状が安定してくると、いつまでも同じ状況下にいることが両者にとって好ましいこととは限りません。がんの経験者として自分の時にこうしておけば良かった、こういう情報が欲しかった、など感じた思いを発信し、同じ悩みを抱える人の助けとなりたいと感じ、一方的に支えられる者から支える者へとして成長成熟することを患者さん達は求めておられるのだと思いました。
近年ピアサポートが注目されている理由は、この様な患者同士の交流が患者さんにとって単なる励まし合いでなく、社会的なリハビリテーションとなっているからだと思います。特に今回のアンケートではサバイバーの方で就業されている方の多さに驚きましたが、(平日の参加が難しい方が多いようです)がんが治る病となり、がんと共に生きていく時代となった今、がん患者はがんの経験を持ちつつ社会に復帰するために、こころのリハビリの場を必要としているのだと思いました。
「こころのともしび」ではレギュラーな参加者が、新しい来訪者をケアしつつカフェの雰囲気を作ろうとするピアサポートが自然と出来つつあると思います。
これからも、来られる方同士がリラックスして関わり合える環境を提供していきたいと思います。
講演のあと行われたミニコンサートでは神戸女学院大学音楽学部名誉教授の中村健さんが自閉症の息子・徹さんとピアノの連弾を披露してくださいました。徹さんは自閉症ですが、感性豊かで天才とも言える楽才を持っておられ、沢山の曲を作曲しておられます。今回披露された曲のひとつに乳がんになったお母さんのために作られた曲がありました。お母さんへの愛情、感謝、不安、など、人一倍手のかかる子育てを懸命にしてくれたお母さんへの思いが溢れていたように感じ感動しました。
大松先生も中村先生もこころのともしびの主旨を理解してくださり、今後もそれぞれの分野で協力してくださるそうです。この活動の全てが沢山の方の純粋な愛に支えられ、神様の愛に守られていることに感謝します。

コンサートの様子
コンサートの様子


第21・22回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


10月18日、27日ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしびを開催しました。
18日は12名(患者6名/ 家族・遺族3名/ その他3名)
27日は17名(患者9名/ 家族・遺族5名/ その他3名)の参加がありました。

メディカルカフェは言葉による会話でなく、こころの対話を大切にする場でありたいと思っています。
今回、ご自身が患者であり又遺族でもある1人のろう者(聴覚障害者)の女性が参加してくださいました。
幸い手話のできる牧師夫人が参加してくださっていたので、他の参加者と同じテーブルで交流を持つことができました。
ろう者の方とのコミュニケーションでは、手の動きだけでなく口の動きや表情にも注意を注ぎ、目で相手の声・気持ちを聞きます。健聴者も同じですが、言葉だけでなく相手の表情や振る舞いにしっかり気を配っていると、言葉にならない感情を感じることができます。

聞こえなくても、手話が出来なくても、お互いに「気持ちを伝えたい」「相手を理解したい」という気持ちがあれば、細かい言葉の理解はできなかったとしても感情を分かち合うことはできますし、時に沈黙を通して感情が伝わってくることも体験しました。
樋野先生は「品性の完成」ために、長い沈黙の時間を共有することやお互いが苦痛とならない存在となることも大切な課題であると言われていました。
ただそばに居ること、静かに寄り添うことだけで充分なのに、沈黙に慣れない私達は会話がないと落ち着かず苦痛を感じてしまいます。
寄り添い聞く者として、沈黙を埋めるように言葉を与えようとすることや、表面的な相づちをうつのではなく、沈黙さえ愛をもって受け止め、相手のありのままを認めることができる静謐さと品性を身につけたいと強く思いました。

ろう者の方が、がんの告知を受け治療しつつ家族の闘病を支えるということは、私達健聴者にははかり知ることの出来ない困難があったと思います。そして今回のように、健聴者の集まりの中に1人で参加することも不安があったことと思いますが、 私は彼女が参加してくださったことで教えられたことがたくさんあり、励ましと喜びもいただき感謝しています。
これから品性も手話も少しずつ磨いていきたいです。

「あなたの前に、助けを必要としている人を置かれるとき、神はあなたに成長の機会をお与えになっている。」




第20回「御影ともしび外来・メディカルカフェ こころのともしび」


10月10日の祝日、気持ちの良い秋晴れの連休最終日、ともしび外来・メディカルカフェを開催しました。今回もイベントを企画し、27名の方が参加してくださいました。
(患者さんが12名、ご家族ご遺族が9名、医療者・その他が6名)

今回も医療情報との向き合い方~Part3(このシリーズはこのPart3で終了です)として笹子三津留のレクチャーをおこない、前回説明不足と感じたデータの意味や○○率について詳しく説明をしました。
後半は「こころのともしび20回を迎えて」という内容でこれまでの半年を振り返り、みなさまにいただいた感想や反省、感謝の思いをお伝えさせていただきました。
たくさんの励ましと助けを頂きながら手探りではじめたこの「こころのとのしび」も半年が経ち20回を迎えました。
このような場所を作ることは長年の個人的な「夢」で、「こんなことできたらいいな。こんな事だったら私たちにも出来るかな。」と思い描いていたものがありました。
それと比べると、今私たちがいただいているもの、体験していることは、想像をはるかに超えた大きなものであることを感じています。
寄り添い合うあたたかい気持ち、励ましねぎらい合う友愛、弱音を吐き出し涙を流せる信頼、毎回新しい出会いと感動があます。
いろんな感情が溢れるこの空間は教会という場所柄、神様の大きな愛と、集うみなさんの優しさのお陰で、むかし私たちが思い描いていた理想よりもずっと高いところに、驚くほど素敵なところに存在しているように感じています。
これは私的な夢ではなく、神様から与えられた使命としてできる限りをそそいで責任を持ってするべき仕事だと思い、私たちにできることはわずかなことですがこれからも心を込めて続けていきたいと思っております。
この場所を無償で提供してくださっている御影神愛キリスト教会に、そしていつもお手伝いしてくださる教会員の方々に感謝致します。
次回11月3日のイベントでは、長年がん患者さん・ご家族に寄り添ってこられた大松重宏先生(兵庫医科大学社会福祉学准教授・元国立がんセンターMSW)に、<ピアサポートとは~仲間で支え合おう!~>という内容でレクチャーをしていただきます。
また、レクチャー後には中村徹・健親子による連弾デュオ・ピアノコンサートを予定しております。自閉症と診断されながら音楽に喜びを見いだした作曲家でピアニストの息子・徹氏(大阪音大ピアノ・作曲、同作曲専攻科卒)、と指揮者で作曲家の父・健氏(笹子三津留の旧友で神戸女学院音楽科教授を定年して半年)の息のぴったりあったアンサンブルをお楽しみいただけると思います。
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